今年2月16日に、外国人技能実習機構のHPに「妊娠等を理由とする技能実習生の不利益取扱いの禁止の徹底 及び妊娠等した技能実習生への対応について (注意喚起とお願い)」が掲載されました。2019年3月11日にも「妊娠等を理由とした技能実習生に対する不利益取扱いについて (注意喚起)」が掲載されており、再びの注意喚起となります。
技能実習生には、日本人労働者と同様に労働関係法令等が適用されますので、婚姻、妊娠、出産等を理由とした不利益な取り扱いは認められません。当然です。では、実習生が実習を継続しつつ、日本で出産することを希望した場合、どうなるのでしょうか。
まず、産前産後休業のため、外国人技能実習機構に「技能実習実施困難時届出書」を提出しますね。その場合、在留資格「技能実習」の活動をしない状況となりますが、この件について入管は、「技能実習」の在留資格のまま出産することは問題ないとの回答でした。産後休業後に技能実習を再開し、在留期間更新の際に理由書をもって、実習修了に足る在留期間で申請してくださいとの事です。(育児休業については当該の注意喚起の文書に記載がありませんでしたので、確認しませんでした。)
※2021.08.26訂正 産前産後休業の場合は、「技能実習実施困難時届出書」ではなく、「技能実習計画軽微変更届出書」または「技能実習計画計画変更認定申請書」の提出でした。
では、父親も技能実習生の場合、生まれたお子さんはどうなるのでしょうか。
外国人同士の間に生まれた子は日本で生まれても日本の国籍は取得できません。日本に滞在するためには何らかの在留資格が必要になります。母親または父親が「技能・人文知識・国際業務」などの就労ビザで滞在している外国人の子は「家族滞在」、留学生同士の子も「家族滞在」の在留資格が該当します。(許可されるかどうかは別です)しかし、技能実習生同士の子には該当する在留資格がありません。技能実習生にはその活動の性格から家族の帯同が認められていないのです。
この点を入管に聞いたところ、出産後30日以内に在留資格取得申請をする必要がありますが、該当する在留資格が無いため、恐らく、「特定活動」か「短期滞在」になるでしょうとの事です。そして、この在留資格の更新はできないので、在留期間中に日本を出国しないとオーバーステイになるそうです。(ただし、入管法の規定では、出生の日から60日は在留資格を有することなく日本に在留できるとありますので、出生した日から60日以内に出国する場合は在留資格の申請をする必要はありません。)
なるほどです。妊娠した技能実習生には出産後のお子さんの事についても十分な説明をする必要がありますね。